複雑な被写体を細密画風に加工します。
細密画風の加工方法については過去に書いておりますのでご興味のある方はそちらをご覧ください。
その他の加工ポイントは、画面左側をトリミングで削除したこと。その目的は二つ。
(1)画面左側は被写体の密度(詰まり具合)が低く、全体のリズムが間延びしていたため。
(2)「OPEN」の文字が画面中央に近づいて目立ち、視点の導入点になるため。
写真日記に投稿するためのカスタム投稿タイプ
まず、こちらが失敗撮影のRAW画像
シルエットですが、全体に暗くて低彩度で何が写っているかハッキリしません。
これを画像加工で何とかしてみます。
まず、暗部の階調を引き伸ばすHDR処理(非合成)をかけます。
シルエットだった部分の階調と色味が出てきます。
RAW画像には、このぐらいの階調情報が含まれているということですね。
しかし、まだ色は足りません。
そこで、彩度を上げてみます。
花や葉っぱの色の違いが明確になります。
しかし、画面全体がまだ平板な印象ですね。
そこで部分補正を加えます。手前から奥行き方向に明暗や彩度のグラデーション変化を加えます。
画面に調子の変化をつけます。
以上で先日アップした写真の完成です。
先週の日記の解答編です。
皆様、楽しんでいただいてありがとうございます。
題名は写真の意味を考える入り口でもあります。
ご自分の撮ったとっておきの一枚に、渾身の題名をつけてあげてください。
で、先の写真の題名を私はどうつけたでしょうか・・
私が色々考えてつけた最終的な題名は・・
【戦争と平和】
です。題名としては有名無名を問わず何度も使われているものですが、あえてその題名に。
写真の中の2つのものが、それぞれ戦争と平和を象徴します。
・・鉄条網は戦争
・・鳩は平和
その2つが薄明かりの中で交差します。
【戦争と平和】
薄明かりに浮かび上がる鳩の飛翔に、長久の時を待つ平和への想いを感じていただければ幸いです。
写真を細密画風に加工しようと思います。
こちらが加工前のカラー写真です。様々な被写体が沢山写っています。
こういう多要素の写真が細密画風の加工に適しています。
細密画風の加工といっても、一つの画像処理フィルタでやっているわけではありません。【モノクロ化(彩度ゼロ)】、【HDR(高ダイナミックレンジ化)】、【略ステップ状の階調カーブ】、【輪郭とディテールの強調】を施します。
これらの処理を何も考えずに施すと、とりあえずの一枚はこんな感じになりました。
物の形とディテールを強調しています。
オリジナル(カラー写真)の階調が残っています。
例えるなら、墨版画風でしょうか。
そして、二枚目はこんな感じです。
【略ステップ状の階調カーブ】で中間階調の変化を減らしたことで、自然な印象を弱めています。
脳の中にとどまる残影といった感じでしょうか。
これに淡彩をつければ、水彩画風になるかもしれません。
そして、三枚目はこんな感じです。
【略ステップ状の階調カーブ】で中間階調をさらに無くしています。
被写体の形を強く印象付けています。
ここまで来ると、劇画の背景や、点描画といった趣きです。
以上、細密画加工に適した原写真の選び方と、細密画加工の三態でした。
ご参考まで\(^o^)/
被写界においてピントが合って見える奥行き範囲を、【被写界深度】といいます。
こちらは、焦点距離30mmF値1.8で撮影した2枚です。
F値が小さい(絞り開放寄りの)ため、被写界深度が浅くなっています。
上の写真は3体の人形を斜めから撮影しています。
前後の猫人形がボケることで,中央の猫人形が主役として強調されます。
これはこれで面白いです。
でも、もしも複数の被写体全てにピントを合わせたい時はどうしたらよいでしょう・・・・。
こうして撮れば、浅い被写界深度でも、複数の被写体にピントを合わせることができます。
3体の猫人形が揃って、主役になっています。
正面から撮っただけのようですが、被写界深度が浅い場合には、カメラの位置と向きを細かく調整する必要があります。
まず、ピントを合わせたい複数の被写体を一つの平面として頭の中でイメージします。そして、その平面と平行するようにカメラ(レンズ主平面・撮像面)の位置と向きを調整します。
これは、背景をボカしつつ複数人をくっきり鮮明に撮影したいといった場合に役立つテクニックです。
また、沢山の花を接写撮影する場合に、代表の花いくつかにピントを合わせたい場合に役立つテクニックです。
(参考)シャインプルーフの原理
写真に題名って何故つけるのでしょう。
写真は目に見える形をあらわすものです。
一方、題名は、目に見えない心象面をあらわします。
つまり、写真にこめた心象面を、題名で説明して分かりやすくします。
また逆に、抽象的で伝わりにくい題名(メッセージ)を、写真で具象化して伝えます。
そのために、写真に題名をつけるのです。
さらに、写真を無題にするのも、作者の意図(観者の発想を妨げない..etc)があるかもしれません。
この写真は、偶然の一瞬を撮ったものですが、さてどんな題名がいいでしょう?
例えば・・・
『自由へのはばたき』
『ある束縛の時』
『第一関門』
私なりの題名は、今週日曜の朝8時の日記で発表しようと思います。m(_ _)m
このマルハナバチや、クマンバチは、ずんぐりした体に小さな翅(はね)です。この体で飛ぶことは、昔の航空力学では説明できなかったそうです。
つまり、理屈では飛べないはずなのに飛んでいるという謎の存在だったわけです。
そこで、『ハチは自分が飛べないことを知らないから飛べる』とまで言われていたそうです。
まるでど根性で飛んでいる感じがしません?
いとおしい感じがしません?
でもね、現在の航空力学ではちゃんと説明できちゃうらしいです。
https://www.s-graphics.co.jp/tankentai/news/roboticfly.htm