木漏れ日の光景


木漏れ日は、樹や葉の影によって太陽の光や暖かさを表す逆説の表現です。陰影は光のために・・陰翳礼讃ですね。
英語には、この木漏れ日を表す単語はないそうです。明細書では【komorebi】とでも定義しましょう。

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質問コーナー:発明したら自分のもの?

答え:

自分の畑で収穫した作物は自分の所有物です。食べたり、売ったり、自由にできます。誰かに盗られたら取り戻すか弁償してもらえます。それは自然なルールです。
では、自分の頭から生まれた発明は自分の所有になるでしょうか。具体的に考えてみましょう。

Aさんが画期的な新製品を開発して売り出しました。しばらくして、同業者のBさんが同じような製品を売り出しました。Aさんは【盗まれた!!】と思いました。

Aさんの新製品それ自体をBさんが盗んだわけではありません。Aさんが【盗まれた!!】と思ったものは、Aさんの発明です。ただ、Aさんが自分の発明といくら言っても力はなく、Bさんには不正競争以上の責任はありません。発明がAさんの所有であることを明確化しておく必要があります。

形ある物(有体物)の場合、所有を明確化しておく方法は二つあります。

[1]鍵をかけて物をしまっておくか、
[2]物に所有権者の名前を書いておくことです。

発明も、所有を明確化しておく方法は同じです。

発明の場合、【鍵をかけてしまっておく】とは秘密にすることです。隠れたノウハウの発明なら秘密にできます。しかし、画期的な新製品を販売しつつ画期的な発明を秘密にしておくことは難しいでしょう。さらに、そこまで秘密にした発明ならばBさんは盗めませんから、Bさんも同じ発明を独自にしたことになります。これではそもそも盗んでいません。

また、発明の場合、【所有権者の名前を書いておく】とは特許を取ることです。特許とは、進歩性を有する発明アイデアを、先に出願した発明者(承継人)に一定期間独占させる国の処分です。Aさんの発明が特許をとると、国はAさんの名前を発明の特許権者として登録します。まさに国が発明に所有権者の名前を書くわけです。そのことで、Aさんが発明を所有(独占)することになります。Aさん所有の発明をBさんは勝手にできなくなります。

つまり、発明したからといって自分が発明の所有者になるわけではありません。特許庁に出願して、特許という行政処分を受ける必要があります。

ロボットを特許にするには(2/2)

前回の続きです。楽譜を撮影してエレクトーン(登録商標)を演奏するロポットです。前回は部分の発明を一本釣りして、請求項の構成を考えました。今回は消去法による別のアプローチです。

消去法による発明発掘とは

全体の発明品であるロボットから、独立して実施可能な最小単位の発明を見つけます。
そのため、発明品の中から必要性の低いものをピックアップします。例えば・・・

(1)人型ロボットだからカメラ(撮影部)で眼を代用しているが、その必要はあるだろうか?
⇒楽譜の静止画像があればよいので、その取得元や取得手段を特定することは不要。

(2)人型ロボットだから楽器を演奏しているが(機械制御部)、その必要はあるだろうか?
⇒演奏データをMIDIやMP3などの音楽データに変換すれば、ロボットの腕機構は不要になる。

そう考えると、撮影部および機械制御部は不要です。
この必要性の低い部分を全体から省くことで、独立して実施可能な最小単位の発明が発掘されます。

消去後の請求項1

必要性の低い部分を除くと、請求項1はこうなります。

【請求項1】
入力された画像データから楽譜を認識する認識部と、
前記認識された楽譜を演奏データに変換する処理部と、
前記演奏データを音に変換する音変換部と
を備えた処理装置。

これなら、楽譜(画像)で音楽を再生する装置全般を抑えることができます。

下位の請求項はどうつなげるか

冒頭の動画をご覧ください。ロポットが実際に演奏しています。これを見て気がつくことは何でしょう。
演奏を、右腕の制御と、左腕の制御で分担しているところ。更に細かくは、両腕の10本指の制御で分担しているところ。ペダルもありますから足の制御もです。
この部分には苦労があり工夫があったでしょう。工夫には発明が隠れています。発明者から傾聴してしっかりクレームアップします。
その上で、眼として撮影部を付加したり、楽器演奏する制御機構をつけたりすれば、最終形のロボットまでを漏れなく抑えることができます。

小括

このような特許戦略のアドバイスが欲しい方は、はじめ国際特許事務所までお気軽にご連絡ください。親身に検討いたします。

(動画の引用元:https://youtu.be/ZHMQuo_DsNU)

ロボットを特許にするには(1/2)


写真日記からのスピンオフです。楽譜を撮影してエレクトーン(登録商標)を演奏するロボットです。

そのまま請求項1にすると

このロボットをそのまま請求項1にすると、こんな感じになります。

【請求項1】
被写体を撮影して画像データを生成する撮影部と、
前記撮影部で撮影された画像データから楽譜を認識する認識部と、
前記認識された楽譜を演奏データに変換する処理部と、
前記演奏データに従って楽器を演奏する機械制御部と
を備えたロポット。

大まかに全体把握した請求項1です。各部の詳細な技術事項は、下位請求項で順番に抑えることになります。しかし、これではもったいないです。

部分の発明とは

例えば、上記請求項1には【前記演奏データに従って楽器を演奏する機械制御部】があります。この機械制御部だけで、何かできないでしょうか?

・・・【楽器を演奏する義手】ができます。
この義手をつければ、腕を失った方も楽器を演奏できます。

つまり、発明品はロポットでしたが、ロボット全体を発明と捉えるのは勘違いです。
ロポットは、独立して実施可能な部分々々の発明(ここでは機械制御部など)の集まりです。

全体把握の請求項1の問題点

請求項1は、『機械制御部』の他に、『撮影部』『認識部』『処理部』が必須要件です。そのうち、どれか一つ欠けても、請求項1の範囲から逃れます。
【楽器を演奏する義手】は、『撮影部』『認識部』『処理部』を欠く上、かつ請求項1のロボットを間接侵害しません。
つまり、請求項1では、独立して実施可能な機械制御部(義手など)の発明は抑えられないのです。

部分の発明に注目するなら

楽器を演奏する機械制御部には、開発の苦労(開発費も含め)があったでしょう。その技術をこのロポットのみに使うのはもったいないです。
もしもその技術に将来性があるなら、機械制御部を請求項1にしてみましょう。例えばこんな感じです。

【請求項1】
楽器を機械操作して音を発生させる駆動部と、
前記楽器の演奏データを取得する取得部と、
前記演奏データに基づいて前記駆動部の制御データを生成する処理部と
前記制御データに基づいて前記駆動部を制御する制御部と
を備えた機械演奏装置

この請求項1を出発点として、請求項2以降では目を代替する撮影部を外的付加し、脳を代替する認識部・処理部を付加します。そうやってロポット全体の最終的な請求項を作ります。
こうしてこそ取りこぼしが少なく、開発者の苦労が報われます。また、楽器演奏に限らず、エクスパートな技能(料理人の包丁さばき、剣道の達人の腕の動きなど)を可能にする機械装置で出願してもいいですね。

このような特許戦略のアドバイスが欲しい方は、はじめ国際特許事務所までお気軽にご連絡ください。親身に検討いたします。

・・・実は、このロポットまだ他にも部分の発明があります。次回に続きます。

いきなり!ステーキを特許にするには

いきなり!ステーキの特許が話題になっています。
その特許査定後に訂正された請求項1は・・

【請求項1】
お客様を立食形式のテーブルに案内するステップと、お客様からステーキの量を伺うステップと、伺ったステーキの量を肉のブロックからカットするステップと、カットした肉を焼くステップと、焼いた肉をお客様のテーブルまで運ぶステップとを含むステーキの提供方法を実施するステーキの提供システムであって、上記お客様を案内したテーブル番号が記載された札と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を計量する計量機と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を他のお客様のものと区別する印しとを備え、上記計量機が計量した肉の量と上記札に記載されたテーブル番号を記載したシールを出力することと,上記印しが上記計量機が出力した肉の量とテーブル番号が記載されたシールであることを特徴とする、ステーキの提供システム。

この特許発明(!)は異議申し立てを経て一旦拒絶されましたが、知財高裁においてその判断が取り消され、再び異議申し立てに対する判断がやり直されて特許が維持されました。「計量機が出力した肉の量とテーブル番号が記載されたシールを、お客様の要望に応じてカットした肉を他のお客様のものと区別する印しとする」旨の内容になります。軽量した肉の量を他の肉と区別する印しとするなら、スーバーの肉売り場では当たり前です。しかし、そこにテーブル番号を加えて他のお客様の肉と区別するのは、いきなりステーキの業態ゆえなんでしょう。

ここでは、おまけで・・別の観点で考えてみます。

普通のステーキ店は、生肉100グラム単位のカット注文が一般的ですね。
それに対し、いきなり!ステーキは、生肉1グラム単位のカット注文が可能です。
生肉1グラム単位で料金が決まります。


(https://www.ryutsuu.biz/commodity/j120619.htmlより引用)

これなら、お客様は、思いついた記念日をグラム数にして注文できますね。
お客様の個性を活かす商売というのは、話題性もあって商売の強みです。
そう考えると・・この【1グラム単位の生肉のカット注文】を特許で守るのは、有意義ですね。

ここからが、出願代理人の調理(腕の見せどころ)になります。

ハンバーグなら1グラム単位の計量は簡単です。不足分は挽肉ペーストを付け足し、過剰分は挽肉ペーストを引きちぎればできます。
しかし、【肉ブロックから1グラム単位で肉をいきなり!切り分ける】のは、技術上の課題(困難性)がありそうですね。不足分は付け足せないし、過剰分を切り落せば無駄になります。肉切りの名人技が必要です。

そこで、この課題を解決している先行技術を調べます。
先行技術が発見できないなら基本発明の可能性があります。公知公用でない範囲で、思いついた技術を広い請求項にして出願しましょう。
また、先行技術が有っても、その先行技術にさらに課題があれば、課題解決による発明の可能性があります。

また、肉の質や焼き具合(レア・ミディアム)によって、調理後のステーキの重さは変化します。
焼き上がり後の重さ1グラム単位を推測して生肉を切り分ける技術としたら、さらに困難な課題になります。
特許になりやすいです。また、焼き上がりの重量で注文できるなら、お客様の御腹が納得する仕組みですから、ライバル社を一段と凌駕できますね。

先の出願は、商売そのものを”いきなり!請求項1”にしていますね。
でもここは、技術の汎用性を考慮して、請求項1は【肉ブロックから所定単位で肉を切り分ける】を解決する発明から入りましょう。
技術の使い道が広いなら、【肉】という限定も外しましょう。
そして、下位の請求項で、請求項1を使用した商売そのものを抑えるとよいでしょう。

当事務所にご依頼いだいた場合は、このような観点から発明発掘を常に有意義にご提案いたします。
(ので、ご相談依頼をお気軽に。)

はじめ国際特許事務所(東京)
代表弁理士 榎 一(えのきはじめ)

ここに事務所を

こちらが”はじめ国際特許事務所”の改装前です。
以前使っていた会社の備品が沢山残っています。
不要品とのことなので整理します。


(事務所奥から撮った写真)

OAフロアにして、トイレや水回りの改装も必要です。
知り合いの大工さん二人が暇をみて作業をします。完成まで3ヶ月かかる予定です。

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