蒐集カメラその1

私の蒐集カメラその1です。
カメラ本体には押し革でRifaxと銘記されています。
あまり聞かないメーカーです。以前、このメーカーが写真工業(月刊誌)に取り上げられたことがあります。
昔のドイツのメーカーでした。
その雑誌に載っていた同型のカメラはライカ製のエルマーレンズ。このカメラとはレンズが違います。
Rifaxはレンズ分業のカメラメーカーで、レンズ違いの同型カメラをいくつか製造していたのでしょう。

このカメラは蛇腹を折り畳んでカメラ本体に収納します。
日本ではスプリングカメラといいます。
折り畳むと、手のひら程度の携帯可能なサイズになります。

このサイズでも、銀塩フィルムは66判/645判を使うことから中判カメラの部類に入ります。
66判/645判といえば、写真屋さん(写真スタジオ)のカメラが浮かびますから、これは小さいです。
こちらが、このカメラで撮影したポジフィルム。

色が鮮やかで綺麗なのは、白黒フィルムの時代のカメラとしては意外かもしれません。
その理由の一つは、当時のカメラはレンズの構成枚数が3~4枚と少なかった点にあります。
こちらが、このカメラのレンズ正面です。

シャッターはCOMPUR製で定番ですね。
レンズは、Xenar7.5cmf3.5
シュナイダー・クロイツナッハが作ったテッサータイプのレンズになります。
テッサータイプは、3群4枚のレンズ構成。
反射防止コーティングなどの高度な現代技術がない時代ですが、このレンズ枚数ならフレアの影響が少ない。フレアが少なければ、結像の色は濃くなります。

テッサータイプのレンズは、本家であるカール・ツァイス社が1902年に開発し、その発明者個人(技術者)が特許をとっています。
その方は、テッサーの特許で大金持ちになったとききます。職務発明がなかった時代ですね。
テッサーレンズは、鷹の目といわれるぐらい鮮鋭なレンズで、沢山のレンズ会社がその後を追いかけたようです。
シュナイダー社のXenarレンズもその一つですね。

シュナイダー社の面白いところは、製造したレンズの番号を創業当時からちゃんと管理している点です。
シュナイダー社は、ネットでその情報を公開しています。
ですから、私のカメラ(正確にはレンズ)も、そのレンズの製造番号でいつ製造されたか分かります。
調べてみると、1936年頃になります。

1936年のドイツ製カメラとすると、時代はナチス政権によるベルリンオリンピックの頃。
このカメラの昔の持ち主は、そんな動乱の時代の光を写していたのでしょう。

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