雨の中

長雨にさらされて
打たれながらも
咲く紅くれない

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無風のとき

無心にパチリ
遊んだ子も気付かない
滑り止めの凹凸

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餅つく間

次の餅米の蒸し上がりまで
臼に湯をたぎらせ
湯気のぼり

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泥の海

川底から掬われた泥の海
泥溜まりはゆっくりと紋をつくり
水溜まりは墨汁のよう

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雨あがる

良くなる前には一時悪くなるものです
嘆く必要はありません
昨日の米朝会談
トランプ大統領と安倍首相の視線の先を支持します
始まりの始まりです

写真は再掲です
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自動回転式の夢

最初はフランスで蒸気機関を動力として作られたようです。
産業革命の時代ですね。

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初音小路にて

日暮里駅を降りて夕焼けだんだんに向かう途中にあります。
こち亀にも登場した場所だそうで、なるほど情緒があります。

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鶯谷駅の停車場

石川啄木は、
故郷の訛りが懐かしく
上野駅へ向かう・・
ここはその途中

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駐車自転車の群れ

駐車自転車をパチリ
画面の大半を静止物が占めると
一瞬のはずの写真時間が永遠になります。

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夕陽の都市

夕陽に照らされた人工都市
残照の中を行き交う人々

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餅米をこねる

餅の搗(つ)き上がりを決定するのは、
餅米をこねる作業です。
特許明細書の出来を決定するのは発明をこねる作業です。
ちからが入ります。

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請求項という言語(草創期編)

請求項は自然言語/人工言語?

 請求項は、日本語や英語といった自然言語を使います。しかし、同じ自然言語を使う日常会話とは随分違いますね。請求項には格段の厳密さが要求されるからです。
その厳密さという点から見れば、請求項はプログラミング言語(人工言語)に近いです。

・・そう考えると、プログラミング技法の歴史と、請求項の書き方の変遷とに、奇妙な一致が見えてきます。

草創期のプログラミング技法

 まずは、草創期のプログラム事情を見てみましょう。 

コンピュータが実用化され、その有用性が認められるようになるにつれ、その上で動作するプログラムは次第に大規模なものとなっていった。ソフトウェアの低品質、納期遅れ、予算超過が頻発し、大規模なプログラムを正当に動作するように記述することの困難さが認識されるようになった。
引用元https://ja.wikipedia.org/wiki/構造化プログラミング

草創期のプログラムの大変さが伝わってきますね。当時、プログラムの動作主体、つまりプレーヤーは、コンピュータ1台でした。プログラムがどんなに長く複雑多岐になろうと、プログラマーはコンピュータ1台分の動作を一気呵成に書き連ねていたわけです。

一気呵成式の請求項

 この草創期のプログラミング技法に近いのが、一気呵成に書き連ねるタイプの請求項です。例えば、こんな請求項になります。

【請求項1】
マイクで変換した音声信号を通信先に送信し、前記通信先から受信した音声信号をスピーカで再生する、携帯可能な電話機(携帯電話のこと)。

これは短い請求項の例です。一気呵成ゆえに、単刀直入で、発明の動作をそのまま表現しています。そのため、読んで頭に入りやすいですね。一見して、動作の主体が携帯電話一つであるというのが、ポイントです。この請求項のプレーヤーはひとり(一人称)なのです。読み手はそのプレーヤーになって請求項を読みますから、分かりやすい作文になります。

一気呵成式の問題点

 しかし、分かりやすいのは、請求項が短いうちだけです。これに電話番号用の数字キーが加わり、オンフック用のキーが加わり、回線要求の発呼が加わり、物理層からアプリ層までの各種機能が加わり、条件によって動作を場合分けするとなると、一気呵成式の請求項は急に難しくなります。

どうなるかというと、(1)多数の構成要件を説明しなければならない。(2)それら多数間の関係も説明しなければならない。(3)条件の場合分けに応じて動作を分岐させる。(4)説明があっちに行ったりこっちに飛んだり切った貼ったする。・・・ことになります。いくら正しい請求項でも、読み手の頭は付いていけず、迷子になるでしょう。

請求項が長くなると、一気呵成の勢いがなくなります。まるでコードがもつれ絡まったようなカオスの状態(初期プログラム技法におけるgoto文を必要以上に濫用した状態に近い?)。一気呵成どころか青息吐息になるわけです。

上述した草創期のプログラム事情の言い方を借りるなら、【大規模な発明を正当に動作するように記述することの困難さが認識されるようになった】といったところです。

一気呵成式の現在

 一昔前に比べれば、一気呵成式の請求項は少なくなりました。主流の書き方ではないです。
方法の発明でさえも、【~~し、~~し、~~する方法】という一気呵成の書き方は古く、【~~するステップと、~~するステップとを備えた方法】という書き方が主流です。
よほど短い請求項でない限り、一気呵成式の請求項は書かれないでしょう。

一気呵成式の使い途その1

 一気呵成式の請求項はもう過去のものという結論でもよいのですが・・
その書き方自体は、請求項の中で部分的に活躍しています。

例えば、発明の前提を、請求項1の第一段落に前書きする場合があります。【であって書き】とか【おいて書き】とか【ジェフソンタイプ】とか【whereinの前】とか【two-part formの頭】とかいいますね。落語で言えば枕、漫才で言えばツカミになります。

つまり導入部ですね。ここが一気呵成式で読みやすくなれば、技術の専門家でない人(例えば裁判官)にも、ハードルが低く見通しの良い請求項になります。

一気呵成式の使い途その2

 また例えば、発明の締め括りを、請求項1の最終段落に書く場合があります。先の例の携帯電話をもう一度見てみましょう。携帯電話として大切な要件が一つ足りないことに気付かれましたか?

【請求項1】
マイクで変換した音声信号を通信先に送信し、前記通信先から受信した音声信号をスピーカで再生する、携帯電話。

厳密に言えば、大切な動作が足りません。それは、携帯電話で通信先と会話をするということ。つまり、送信と受信を交互に行いうる機能(全二重とか半二重とかいうもの)です。もちろん、発明のポイントがそこでなく、かつ当たり前だからあえて省くという請求項のテクニックもあります。また下位請求項で会話動作それ自体が必要になったときに言及するというやり方もあります。普通はそちらの方がよいでしょう。なぜなら、途中で用もなく中途半端に全二重/半二重に言及すると、その後の動作全体を全二重/半二重に整合させなければならず、余計な限定となりうるからです。それでも書くなら、発明の締め括りとして請求項1の最終段落にサラリと書くことになります。こういう箇所も何気に一気呵成式になります。こんな感じでしょうか。

【請求項1】
 ・・・・・前段は同じ・・・・・・・
 前記送信と前記受信とを相互または同時に行う
 ことを特徴とする携帯電話。

そもそも複雑に書けずに短くまとめる形の一気呵成式だからこそ、導入部や締め括りに余計な限定も生じにくいです。一気呵成式の得手を活かした使い途です。

草創期編の小括

 一気呵成式という書き方は、場所を選んで活きるというお話でした。

次回は、構造化プログラミングと請求項の書き方との奇妙な一致です。

Bоkeh(ボケ)

90mmのマクロレンズです。F13まで絞っていますが、このボケ味です。
写真やレンズのボケに美という味を発見したのは日本人が最初かもしれません。
一つの証明は、写真分野では『bokeh』が外国でちゃんと通じる点。
blurは写真ではマイナスですが、bokeh(ボケ)は味なんです。

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筆ペンの発明者は誰?

筆ペンは筆圧で想いを表現できる文房具ですね。さて、この素敵な文房具の発明者は誰でしょう。調べてみました。

発明者は文豪?

谷崎潤一郎著「陰翳礼讃」に次の一節があります。

仮りに万年筆と云うものを昔の日本人か支那人が考案したとしたならば、必ず穂先をペンにしないで毛筆にしたであろう。そしてインキもあゝ云う青い色でなく、墨汁に近い液体にして、それが軸から毛の方へ滲み出るように工夫したであろう。
(引用元:https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/files/56642_59575.html 初出1933年「経済往来」12月号)

谷崎潤一郎氏(以下、文豪先生)の文章には筆ペンの基本構造が書かれています。文豪先生は実際に筆ペンを試作していないでしょう。しかし、これは文豪先生の発明です。発明は、技術的思想の創作であって、物の創作(試作や実施)を成立要件としないからです。当時、この着想を出願していれば筆ペンの基本特許になったでしょう。
私ならこんな請求項1にします。

【請求項1】
液体を収容する軸部と、
前記軸部に配置され、繊維を束ねた毛筆部と、
前記軸部から前記毛筆部へ前記液体を滲ませる液誘導路と
を備えた毛筆万年筆。

この文豪先生の発明の画期的な点は、硯も墨も不要でいつでも毛筆が使え、かつ穂先に墨汁が自動供給される点です。まさに万年の筆、文字通りの万年筆です。
ただし、試作していれば気がつく問題点があります。

[問題1]液誘導路の不具合によりボタボタと液漏れが生じる。(毛管現象との兼ね合い)
[問題2]毛筆なら水洗いできるが、筆ペンは水洗いできず穂先の墨が固まる。(乾燥防止のキャップ)

このすぐに思いつく問題を解決して下位請求項で書いておくことは重要です。なぜなら、この問題を解決しない限り、筆ペンは商品にならないからです。請求項1の必須要件ではありませんが、筆ペンの商品としては必須要件です。したがって、下位請求項でこの部分を特許にすれば筆ペンの実施を独占できるほどの強い特許になります。

発明者は万年筆会社?

1972年にセーラー万年筆が【ふでペン】という商標で販売しています。筆ペンの実用化第一号はセーラー万年筆です。(出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AD%86%E3%83%9A%E3%83%B3)
液漏れや墨が固まるといった問題は当然に解決したでしょう。先に挙げた文豪先生の基本発明からは課題が思いつかないため、容易に想到できない工夫をしたことになります。したがって、文豪先生の公知文献があっても、進歩性あり(容易に想到できない発明)で特許をとれたでしょう。やはり実際に最初に作ったところは強いです。基本的な課題解決を特許で抑えることができます。

発明者は株式会社呉竹?

さらにすごいのは呉竹精昇堂(現:株式会社呉竹)。こちらの筆ペン誕生秘話に詳しいです。

ペン先が軟らかいと太い線しか書けない。逆に硬いとサインペンと同じような細い線しか書けない。これを同じペン先が書けるようにしなければならなかった。また、インキをペン先までスムーズに流す工夫も必要だった。(中略)ナイロン製の芯の射出成形時にスパイラル状のねじりを加えると、これまでの課題が一気に解決することがわかった。つまり、筆圧をゆっくりかけるとナイロン芯のねじれた部分が開く。そこへインキが十分に供給されて太い文字を書くことができる。筆圧をかけない状態であればナイロン芯のねじった部分が絞り込まれるようにして閉じる。そうするとインキの供給は抑えられ、細い文字が書けるのだった。
(引用元:https://www.kuretake.co.jp/create/brush/story.html)

万年筆(従来技術)は、筆圧によってペン先の切れ込みが広がりインク供給量が調整されます。それを筆ペンの筆先で行うことは物理的に困難です。筆先はペン先に比べて筆圧による拡幅変化が極端で(大小の字が書ける利点でもありますが)、その極端な拡幅変化をつかってインク供給量を適度に調整することは難しくなります。普通に筆圧をかけるだけで、筆先からインクが大量に滲み出すことになります。
そもそも書道家は、穂先につける墨の量を微妙に調整します。太い字を書くときは、事前に穂先に墨をたっぷり含ませます。細い字を書くときは、穂先の墨を僅かにします。字のトメハネに合わせて更に微妙な調整が必要です。小学生でも半紙に名前を小さく書くときは少しの墨にしますね。筆ペンは、この微妙なインク供給量の調整を万年筆同様に筆圧だけでコントロールしなければなりません。
頭だけで考えていた文豪先生が全く考えもしなかった、筆ペン史上最大の課題が現れたことになります。
呉竹精昇堂は、毛筆と軸の中間にあったナイロン芯をスパイラル加工することで、筆圧による微妙な拡幅変化を実現し、この課題を解決しました。この発明があってこそ、筆圧で想いを表現できる筆ペン(商標:筆ぺん)が初めて完成したと言えるでしょう。
実際の出願があったのか確認していませんが、私が請求項を書くならこんな感じでしょう。

【請求項1】
液体を収容する軸部と、
前記軸部に配置され、繊維を束ねた毛筆部と、
前記軸部から前記毛筆部へ前記液体を通過させる誘導路を備え、
前記誘導路は、筆圧により前記液体の通過径を変化させる弾性機構を含む
ことを特徴とする筆ぺん。

スパイラルのねじりを加えたことが原点ですが、ここは弾性機構で広く強い特許にしましょう。もちろん、下位請求項にスパイラル形状の弾性機構を加えると共に、それ以外の弾性機構(弁膜など)についても発明者に考えていただきましょう。

こう考えると、筆ペンには、着想した人と、実現した人と、完成度を高めた人、という三者三様の発明者がいたことになります。

(冒頭写真の引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AD%86%E3%83%9A%E3%83%B3#/media/File:Fude_pen.jpg)